いつもお世話になっております。光レジン工業 シェルター事業部長 野中でございます。
一体、先週の暑さは何だったんでしょうか?(シェルターの設置に立ち会っただけで倒れそうになりました)。
被災地の現場作業に従事する方々の偉大さを身に染みて感じました。
皆様も、まだまだ続く酷暑に気を許さず、体調管理に御留意下さい。
さて、今日はお知らせがございます。新商品がラインナップされます。
こちらの写真の商品で、商品名は「津波シェルター CL-HIKARi」(読み:シーエルヒカリ)といいます。
以下、詳しくご説明いたします。
さて、新商品のご説明の前に、既存商品の「津波シェルターHIKARi」の現状についてご説明いたします。
多くの皆様から御好評を頂戴しております既存商品の「HIKARi」 ですが、私達の当初開発目的を達成する為に、何としても克服しなければならない課題がございます。
それは、一般家庭向けの普及対策です。
どういう事かを御説明する前に、私達の当初開発理念を簡単に御説明致します。
この津波シェルターは、機能面として「地震による家屋倒壊対策にも、津波対策にも」活用出来る救命シェルターとして開発され、その特徴である「小型軽量・高強度・低価格」という商品性により、主に一般家庭向けに「広く速やかに普及」させ、南海トラフ大地震による想定被害者数32万3千人(内閣府発表)の大幅削減に貢献する。…簡単に言ってしまえば、この様なプロジェクトと言う事になります。
手前味噌では有りますが、4人家族の命を守るツールとして、一人当たりの対策費用を12万5千円未満(税抜本体価格ベース)とする事が出来た事は、大きな成果だと思っております。
しかしながら、これまで多くのお客様に津波シェルターHIKARiをご提供する中で、当初の目論見とは異なる、様々なことが明らかになってきたのです。
それは以下の(1)(2)(3)のようなことでした。
(1)購入者の約7割が、海沿いの事業施設で従事する従業員の為に購入する企業様である事。
(2)残り3割の個人ユーザー様の、ほぼ全ての方が、購入したシェルターを、「ベランダ・屋上・庭・ガレージといった、家屋の外部」に設置されているという事。
(3)更に、購入を断念された方の殆ど全ての方から聞かれた、「コレ、欲しいんだけど、ウチの家には設置するスペースが無くて…」という声。
これらは、明確に以下の4点を示唆しています。
① ほぼ全てのお客様が、この商品の「津波対策機能」だけに着目して購入されている。(耐荷重22トンという、家屋倒壊対策の性能があるにもかかわらず)
② 家屋倒壊対策機能にも期待してお問い合わせ頂いた個人のお客様は、家屋内に設置する事が難しい事を理由として、結局、導入を断念されている。つまり家屋倒壊対策としては支持されていない。
③ 直ちに避難する事が難しい「特定従事者」の救命対策としては、(可搬性が有り、作業現場の直ぐ近くに設置が可能な)現在の球形シェルターが最善であり、引き続き提供して行く必要が有る。
④ 一般家庭向けに普及を促進する為には、家屋内の居住スペースを侵害する事の無い、新たな商品を開発する必要が有る。
正直、「読み違えてしまったな…」と痛感したのは、各地の住宅事情でした。
当初、私達は、東京都心の、「猫の額の様な」狭いリビングや寝室と違い、太平洋沿岸地域の住宅事情では、空間に対する制約性が、東京よりも厳しくは無い為、この商品を家屋内に設置する事がこれ程困難になるとは考えても居なかったのです。
現実はどうだったかというと、確かに、(東京と比べると)皆さん広い空間を謳歌して暮らしていらっしゃるのですが、決して無駄な空間を遊ばせている訳では無く、広くなれば、その広い空間を、各家庭で機能的に有効活用されていて、結局、居住空間にシェルターを導入する事は難しかった…という現実が有ったのです。
反面、工場などの「空間に制約性が少ない産業用施設」では、こういった問題の克服が容易な為、結果として、販売の約7割が企業ユーザー向けとなり、当初開発目的とした、「一般家庭向けに広く速やかに普及」という理想からは乖離する事態となってしまったのです・・・
こうなると、津波シェルターの「何を、どうすれば良いか」は明白です。私達に迷いは有りませんでした。
考案した対応商品は二つです。
① 家屋内の空間を一切侵害せず、家屋内で避難を完了する事の出来る、高額の商品。
② 家屋内の居住空間は一切侵害せず、収納空間のみ若干制約を加える事により、家屋内で避難を完了する事の出来る、安価な商品。
前者は、浴室をFRP製密閉型シェルターの機能を兼ねるユニットバスにするという仕様で、略称は「UB-HIKARi 」(以下、UB)※特許出願済
後者は、押し入れやクローゼットなどの収納空間の下部に設置する仕様のFRP製密閉型シェルターで、略称は「CL-HIKARi 」(以下、CL)です。 ※特許出願済
共に特許出願を済ませた後、UBについては、一部のユニットバスメーカーと共同開発の事前協議を行いましたが、技術的課題があまりにも多く、又、完成品の価格が思いの他高額となってしまう事から、「広く、速やかに普及」という弊社開発理念に合致しない為、今後の課題としては一旦棚上げをいたしました。
そして(今回ご紹介の)CLを先に開発し、発売する事と致しました。
幸い、CLについては、技術的課題は全く無く、弊社単独で生産出来る為、スピーディーにプロジェクトを進める事が出来るという、最大の利点がございます。
さて、ようやく本題に入ります(お待たせしました)。
「地震・津波シェルター CL-HIKARi 」の特徴は、箱型でハッチを二つ持つ、大人2名用のシェルターでございます。
家族の体型にもよりますが、それ程大柄な方で無ければ、大人2人と子供2人の4名が避難する事も可能です。
外観等は、こちらの動画(youtubeにて公開中)を御参照下さい。
上の動画は、江戸間サイズの押し入れの下段に設置する仕様のイメージです。
今後、中京間サイズや京間サイズのバリエーションも追加して行く予定です。
又、様々なクローゼットに対応する為、ハウスメーカー様向けにオーダーメイドの専用設計でOEM供給を行って行く事も考えております。
注文住宅ならともかく、一般個人向けの規格型住宅の家屋内に、専用のFRP密閉型シェルターをセットして販売開始するとなると、住宅業界史上、間違い無く世界初の快挙になると思います。
過去の常識を覆す発想で、住宅業界に革命をもたらす。
そして、その結果、数千人、数万人の命を救えるかも知れない。
…大事を成すとは、こういう事だと思います。
今お話しした内容は新築住宅向けの供給プランなのですが、震災対策でより大事なのは、既存住宅への供給、つまり、簡易リフォームによって、シェルター付住宅に改装するというプランです。
これには、全国のリフォーム業者さんの力を借りないといけないですね。
そして、気になる予定価格ですが、本体価格で69万8千円、送料は神奈川県厚木市(弊社第一工場)からの発送実費、加えて、基本設置工事費5万円を予定しております(何れも税抜)。
当面は、和室の押し入れの下段に設置する商品を主力として販売して参ります。このCL-HIKARi の設置には、ちょっとした大工工事が必要です。
重量が球形シェルターの倍以上となる為、床部分の補強と、上下の間仕切りの高さの調節です。
具体的には、上下の間仕切りを、20cm弱上昇させる事となります。従いまして、今後CLを設置する為には、従来の球形HIKARi の設置とは違い、最低2人工が必要となります。
そして、それを全国からのオーダーに対応して設置する為には、弊社シェルター事業部単独での事業展開は、到底不可能となります。
津波シェルターの販売店に関しては、既存商品「津波シェルターHIKARi」を2013年10月に発表以来、既に多くの業者様よりお問い合わせをいただいておりましたが、本日8月1日より、募集を開始いたします。
弊社の津波シェルター販売店への加盟に興味が有る方は、こちらの加盟店エントリーページにて詳細をご入力の上、送信いただけますようお願い致します。
申し訳有りませんが、販売店加盟に関するお問い合わせは、聞き間違い等のミスを防ぐ為、全てインターネットにてお願い致します。
加盟店エントリーページよりお問い合わせをいただいた方には、こちらから加盟の御案内をさせて頂きます。
今暫くの間、お待ち頂きます様、お願い致します。
詳細は改めて御案内致しますが、元手が無くても参入し易いシステムにするつもりです。
情熱と責任感の有る方に、是非このプロジェクトのメンバーとして参画して頂きたいと思っております。
2014年7月31日 株式会社光レジン工業 シェルター事業部長 野中浩二
〒191-0011 東京都日野市日野本町4-10-23
TEL: 042-584-5797(代表)
FAX: 042-584-5786
MAIL: info@shelter-hikari.com