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津波シェルターHIKARi 特許の詳細説明(1)

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、地震、崖崩れ、洪水、津波等の災害時のほか、紛争、テロ、事故等から被災者・被害者が避難するための避難用シェルターに係り、特に、強度があって水に浮き、脱出が容易な避難用シェルター及びその製造方法に関する。

【背景技術】

【0002】

[従来の技術]

記憶に新しい災害として、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震がある。崩れて来た屋根の下敷きになったり、崖崩れの土砂に埋もれたりして、人命が落されている。地震による津波は多くの人の命を奪った。原子力発電所の事故から身を守る手段が必要であることも認識された。さらに海外では、紛争やテロが多発しており、また、核開発に伴う災害リスクが増大している。

【0003】

これらの様々な災害の中でも、地震発生時に、倒壊した家屋に押し潰されて圧死したり、あるいは、家屋や瓦礫等の落下物の下敷きとなって窒息死したりして、犠牲になるのを防止するための地震対策用の装置としては、例えば、特許文献1に開示された地震用シェルターが知られている。

【0004】

特許文献1に記載されているような地震用シェルター(以下、「従来のシェルター」という)は、出入口を有するドーム本体から基本構成され、出入口を下側に配置したときにシェルターを構成するようになっている。従来のシェルターの本体は、強化プラスチック(FRP[Fiber Reinforced Plastics]樹脂)製の外壁部と、発泡スチロール等の内壁部と、からなる二重構造になっている。

【0005】

また、特許文献2に記載されている耐震用カプセル(以下、「従来のカプセル」という)は、従来のシェルターと同様の外観を備え、その本体は、内側から構造体と内部被覆と外部被覆とによって積層構成されている。

【0006】

従来のカプセルの構造体は、強化繊維プラスチックの成形体からなる外殻と、金属製もしくは繊維強化プラスチック製のフレーム材からなる内部補強枠とから構成され、フレーム材同士の固定は、それぞれから内側に引き出されたフランジ部同士を、固定するボルトによって行うようになっている。

内部被覆は、耐火性ゴム発泡体などのクッション材よりなり、外部被覆は、内装と外装の積層構造になっている。この内装は、グラスウール、石膏ボード、耐火セメント、ロックウール等の耐火・耐熱性材料で形成されている。また、この外装は、難燃加工を施したゴム製の被覆材で構成されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【特許文献1】実用新案登録第3144746号公報(段落0032~0034、図1)

【特許文献2】特許第4320358号公報(段落0017~0018、図4)

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【発明が解決しようとする課題】

【0008】

しかしながら、上述した従来のシェルター及び従来のカプセルは、いずれもその強度と強度を保つための構造に問題があった。

すなわち、従来のシェルターは、強化プラスチックを採用しているものの、それを単層としただけであるから強度的に不十分である。層厚を厚くすれば強度が増すことは自明であるが、厚くすればするほど重くなり、また、加工性が低下しコスト高になってしまうので、実現性が極めて低い。発泡スチロール等からなる内壁部は、避難者との衝突による衝撃を和らげることを目的とするものであってシェルター自体の強度を高めるためのものではない。

【0009】

従来のカプセルは、外殻と内部補強材を併用しているので、ある程度の強度が期待できるが、まず、構造が複雑であること、そして、内側に突き出したフランジ部を被覆するために内装に相応の厚みが必要となるため壁全体が厚くなってしまうという問題がある。

【0010】

さらに、従来のシェルターも従来のカプセルは、災害等から人体を守るためにたいへん有用であるが、その一方で、平常時の置き場に困るのも現実である。万が一の備えをしたいが、平常時の生活空間も大事にしたい、という二律背反の要求を両立させることが、避難用シェルターによる身体保護という目的実現にとって考慮すべき問題である。

【0011】

本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、シンプルな構造でありながら、地震、水害、さらに紛争等が単独もしくは複合して発生した際に、確実な避難を可能とするために十分な強度を持った避難用シェルター及びその製造方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0012】

上記従来例の問題点を解決するための本発明は、避難用シェルターにおいて、強化プラスチックのシェルター本体がハッチを有する球形をしており、内側及び外側から開閉可能な採光窓をハッチの近辺に設け、ハッチのロック解除機構を採光窓側に設け、一端がシェルター本体の出入口の内側面に接続され、他端がハッチの内側面に接続されるヒンジを有することを特徴とする。

【0013】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、収納可能な床板を有し、床板を特定方向にスイングさせてスライドさせ、ハッチを側面から上面に向くようにする移動構造を設けたことを特徴とする。

【0014】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、側面に位置するハッチに対してシェルター本体の底部と上部を接続するよう垂直方向につかまり棒が形成され、床板にはつかまり棒に対する案内構造の溝が形成されていることを特徴とする。

【0015】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、つかまり棒が接続する上部付近に換気口を設けたことを特徴とする。

【0016】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、ハッチの内側面周縁又はシェルター本体の出入口の外側面周縁、若しくはハッチの内側面周縁とシェルター本体の出入口の外側面周縁との双方に環状のパッキンを形成したことを特徴とする。

【0017】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体の出入口の内側面周縁に、又は当該出入口の外側面と内側面の間の内部に、若しくはハッチの内側面周縁に環状の補強部材を設けたことを特徴とする。

【0018】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体の外側面にオーバーレイ接続された接続部と、ロープを結び付けるフック部とが一体に形成されたフックを設けたことを特徴とする。

【0019】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチに、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、バサルト繊維又はバイオマス繊維の繊維系強化材を、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール、ポリイミド又はバイオマスの樹脂に含ませた強化プラスチックを用いたことを特徴とする。

【0020】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチの内部に、鉛フィルム層を設けたことを特徴とする。

【0021】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、シェルター本体及びハッチは、樹脂で形成された樹脂層に対してロービングクロス層、チョップストランドマット層が順に繰り返し積層され、ロービングクロス層とチョップストランドマット層には樹脂を含浸させてあり、チョップストランドマット層の少なくとも1層が第1の繊維系強化材、発泡体又はコア材、第2の繊維系強化材の積層構造であることを特徴とする。

【0022】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えてアラミド繊維層又はバサルト繊維層を積層したことを特徴とする。

【0023】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、複数積層されるチョップストランドマット層の内、少なくとも1層のチョップストランドマット層に代えて互いに重ね貼りされた複数の鉛シート小片から構成された鉛シート層を積層したことを特徴とする。

【0024】

本発明は、上記避難用シェルターにおいて、チョップストランドマット層は、綿状樹脂材のコア層を重ね貼りされたチョップストランドマット小片で挟み込んだ積層構造としたことを特徴とする。

【0025】

本発明は、避難用シェルターにおいて強化プラスチックの球形のシェルター本体を、L-RTM成形装置を用いて下型と上型により製造する製造方法であって、下型の内面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面にロービングクロス層とチョップストランドマット層を積層し、上型を真空圧で型締めし、上型と下型の間にある型内に樹脂材を注入して成形し、樹脂材が硬化したら上型を開いて成形品であるシェルター本体を下型から取り出すことを特徴とする。

【発明の効果】

【0026】

本発明によれば、強化プラスチックのシェルター本体がハッチを有する球形をしており、内側及び外側から開閉可能な採光窓をハッチの近辺に設け、ハッチのロック解除機構を採光窓側に設け、一端がシェルター本体の出入口の内側面に接続され、他端がハッチの内側面に接続されるヒンジを有する避難用シェルターとしているので、強度があって、外側からも採光窓を開けてハッチのロック機構を解除できるので、救援作業を容易に行うことができ、ハッチを閉めた場合にヒンジがシェルター本体の内側に存在することになるので、ヒンジをシェルター本体の外側に設けた場合に比べてヒンジの破損を防止できる効果がある。

【0027】

本発明によれば、避難用シェルターにおいて強化プラスチックの球形のシェルター本体を、L-RTM成形装置を用いて下型と上型により製造する製造方法であって、下型内面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面にロービングクロス層とチョップストランドマット層を積層し、上型を真空圧で型締めし、上型と下型の間にある型内に樹脂材を注入して成形し、樹脂材が硬化したら上型を開いて成形品であるシェルター本体を下型から取り出すようにしているので、避難用シェルターの本体を容易に更に強固に形成できる効果がある。

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見出し画像:地震津波用防災シェルターHIKARiヒカリ

津波シェルター製造・販売 株式会社光レジン工業

地震や津波から命を守る防災シェルターHIKARi(ヒカリ)

 

株式会社 光レジン工業

〒191-0011 東京都日野市日野本町4-10-23

TEL: 042-584-5797(代表)

FAX: 042-584-5786

MAIL: info@shelter-hikari.com

WEB: www.hikariresin.co.jp/

 

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